空模様






第9話





「あの……本当に良いんですか?」

「なにが?」



「……いや……その」

「いいよ。約束だし」





モジモジしながら俺の様子をうかがう菜蘭。





「でも……なんかさっきはノリで……テンションおかしかったし……」

「……あぁそう」



「えっ」

「まぁ勝負に負けたのは俺だ」



「……」

「おとなしく床で寝るよ」





床に寝そべる。





「でも私…あの時このお部屋がアメリカ方式だって忘れてて……」

「……別にいいよ、もう……」





そういいながら俺は反対側に体を向ける。

そっぽを向いた俺に、さらに追い打ちがかかる。





「だって!外に出歩いた靴で踏んだこの床で寝るんですよ?!」

「……」



「布団無しで!!」





いや……ちょっとまて!





「……布団無しなの?」

「えっ?違うんですか?」



「……知らないけど」





菜蘭は女性客用に用意してあったパジャマを着て、ベットの上に座っている。

もちろん俺は反対方向を向いて床に寝そべっている。

まるですねて強がっている子供だ。

こんな自分を情けなく思ったが、ここでまた態度を覆すのもまた情けない。





「わかった!」



菜蘭が急に大声を出した。



「は?」

「今日は寝ないでずっとお話ししましょう」



「……」



世紀の大発見をしたかのような目で俺を見る菜蘭。



「そうすればソウタさんも床で寝ないですむし!」

「……」



「そうしましょう。ほら。こっち来てください」

「……は?」



「お話……しないんですか?」



話って……ベットの上で?



「……恥ずかしがり屋さんですね、ソウタさんって」

「……なんでだよ」



「ほら。早く」



こいつは……自分に気があると思ってつけあがってるのか?

さっきから強気な態度だ。

靴を脱いで、ベットの上に上がる。

菜蘭は弧の方に座っていたので、俺は反対側の中心角の方に座る。

隅っこに。



「……なんでそんなに離れてるんですか」

「……やだから」



「……?」



首を傾げる。

ただ、純粋に。



「……お前の思い通りになるのが」

「『お前』じゃないって何度言ったらわかるんですか」



「……菜蘭の思い通りにはさせたくない。」



俺の今の発言には俺自身がため息をつくほどだった。

俺だけではなく、やはり菜蘭もため息をついて、こう言った。



「……ソウタさんって子供っぽい」

「は?」



「大人ぶって煙草とか吸ってるけど……やっぱり子供なんですね」

「……」



やっぱりつけあがってるとしか思えない。

イライラしてきた…



「私も子供だけど……」

「……なら言うなよ」



「……でも、女の人の方が精神年齢高いって知ってました?」

「……」

「女の人の方が男の人より5才も上なんですよ」



「……」



五歳年上の菜蘭は、五歳年下の俺に敬語を使う。



「だから……ソウタさんは13才」

「……」



「中学生、又はそれ以下」

「……」



「そんなところでしょうかね」

「……そんなとこだろーね」



「ね」

「はぁ……」













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第9話。
プッシュ!菜蘭ちゃん。

初花





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